5Gとは?5Gの特徴はどこにあるの?

 2020年3月に、次世代の通信規格である5Gの商用サービスがスタートします。
現状では、ソフトバンクが3月27日、KDDIが3月開始を表明。ドコモは春と時期をボカしていますが、それほど遠くないタイミングでサービスがスタートするはずです。
第4のキャリアとして4月に本格サービスを開始する楽天モバイルも、6月に5Gを導入することを表明済みです。

5G ソフトバンクの決算会見
3月からスタートする5G。写真はソフトバンクの決算会見で撮影
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高速大容量でダウンロード、アップロードがストレスフリーに

 では、5Gの特徴はどこにあるのでしょうか。

最初に挙げておきたいのが、超高速・大容量という点です。
5Gでは、現状、4Gより高い周波数を採用する予定で、利用できる電波の帯域が大幅に増えることになります。4Gでは低い周波数が800MHz、高くても2.5GHz帯や3.5GHzだったのに対し、5Gでは3.7GHz帯、4.5GHz帯に加え、28GHz帯という非常に高い周波数が大手キャリアに割り当てられています。

5G 帯域の幅が広がる
周波数が4Gのときより高くなり、帯域の幅が広がる

 前者は6GHz以下の周波数という意味で「Sub-6」と呼ばれ、後者はミリ波と呼ばれています。
数値をご覧になっていただければ分かるとおり、前者は4Gより周波数が高いものの、そこまで大きな開きはありません。そのため、後者のミリ波に比べれば、広いエリアを構築しやすいと言われています。その代わり、道路の道幅にあたる帯域幅もミリ波に比べると狭く、見込める速度も限定的です。

 日本では、Sub-6にそれぞれ100MHz幅ずつ割り当てられています。
4Gで運用されるもっとも高い周波数の3.5GHz帯は40MHz幅だったため、速度が上がることは事実ですが、4Gの延長線上に近い進化と言えるかもしれません。

これに対し、ミリ波は周波数が高く、すぐに電波が届かなくなってしまうため、見通しのいい、狭い範囲でしか利用できませんが、代わりに速度は非常に高くなります。楽天モバイルを含めた4社には、400MHz幅が割り当てられています。

5G Sub-6とミリ波の2本柱
エリアを広げやすいSub-6と、速度を出しやすいミリ波の2本柱

 商用サービスで実際にどの程度の速度が出るのかは、まだ公表されていませんが、ドコモはすでにプレサービスを開始しており、そこでは商用環境と同じ周波数や基地局を利用しています。
ここでの速度は、ミリ波が下り最大3.2Gbps、Sub-6が下り最大2.4Gbpsになります。

4Gも複数の周波数帯を束ねるキャリアアグリゲーションで約1.5Gbpsほどに最大値は上がっていますが、ミリ波であれば、おおむねその2倍強の速度が出ることになります。

 もちろん、このスペックはあくまで理論値。実際にユーザーが使う環境では、4Gと同様、速度は低下します。
電波状況やどの程度のユーザーが使っているかなど、様々な要因で実際の速度は決まってくるため、上記のような速度がそのまま出ると考えない方がいいでしょう。

使い放題の料金や、新たな映像サービスが生まれる可能性も

 基地局を新たに設置していくことになるため、当初はエリアも限定的です。とは言え、利用できる電波の帯域幅が一気に広がるため、ユーザーはより大容量のデータをやり取りできるようになります。
それに伴い、通信容量ごとの単価も下がることが期待できるため、各社が使い放題の料金プランを投入する可能性が高そうです。“ギガ不足”に悩まされることがなくなるのは、ユーザーにとって1つのメリットと言えそうです。

5G 各社とも使い放題の料金を導入
各社とも使い放題の料金を導入することを示唆している。auは4Gで先行して「auデータMAXプラン」を開始

 通信の速さや容量の大きさを生かしたサービスが登場することも、期待できそうです。
各社が注目しているが、VRやARなどのサービス

スマホ単体で楽しめるものに加え、スマホに周辺機器を接続するような形も想定されています。
また、複数の端末を使って、マルチアングル映像を視聴できるようなコンテンツも登場してくるでしょう。こうしたコンテンツを生かすための端末として、2画面スマホや折りたたみスマホが登場することも期待できます。ハイレゾのストリーミングが可能な音楽サービスなども、注目を集めそうです。

5G VRやARなどのサービス
VRやARなどのサービスが、今まで以上にバリエーション豊かになりそうだ
5G マルチアングルのコンテンツ
マルチアングルのコンテンツが登場することも期待できる

 端末自体の性能も、5Gに合わせて向上することになります。
たとえば、シャープは、5G対応スマホとして2月17日に「AQUOS R5G」を発表しました。

このスマホでは、最大8Kでの動画を撮影することが可能
8Kで撮った動画は、非常に容量が大きくなりますが、5G回線であれば、YouTubeなどのサービスに素早くアップロードできます。
同様に、サムスン電子も8K動画撮影に対応した「Galaxy S20」を海外で発表しており、日本への導入が期待されています。

シャープの「AQUOS R5G」
スマホの動画撮影機能も、8Kに対応。写真はシャープの「AQUOS R5G」

法人利用も加速し、間接的に5Gの恩恵を受けることも

 一方で、5Gは今まで以上に、企業での利用が進むことも想定されています。
たとえば、スポーツ写真を撮るカメラマンのカメラに5G端末を接続して、高速かつリアルタイムにデータをアップロードしたり、遠隔地の病院同士を高速回線でつないで診療を行ったり、建機を遠隔操作したりと、様々なユースケースが検討されています

5G 他の産業への応用も期待
乗り物の遠隔操作など、他の産業への応用も期待されている

 スタート直後は、高速、大容量がメリットの中心になりそうな5Gですが、規格上は、ほかにも、低遅延や多端末接続といった特徴を備えています。
ただし、2020年に始まる5Gは、無線を制御する部分に4Gを使う「NSA(ノンスタンドアローン)」と呼ばれる方式。先に挙げたように、周波数などを含めた無線部分は一新されますが、それを制御するコアネットワークは4Gと共有しています。
そのため、5Gの実力は、部分的にしか発揮できません。

5G NSA方式で開始
当初はNSA方式で開始、その後SAにネットワークがアップグレードされる。写真はKDDIの計画

 これに対し、コアネットワークまで含めたすべてを5Gの規格で運用する方式を、「SA(スタンドアローン)」と呼びます。
SAの5Gが導入されれば、低遅延や多端末接続といった特徴がより生かしやすくなります。
たとえば、MEC(マルチアクセス・エッジ・コンピューティング)という、サーバーをキャリアのネットワーク内に置く技術も実現できるようになります。これによって、サーバー側にコンテンツを置く、クラウドゲームのようなサービスも提供しやすくなります。建機をはじめとした機器の遠隔操作なども、より低レスポンスで実現できるようになるでしょう。

 端末も、当初はスマホが先行することになりますが、それに限らない形が考えられます。
VRやARのデバイスが直接5Gにつながったり、5G対応のカメラが登場したりと、さまざまな広がりがありそうです。

そのため、ユーザーが間接的に5Gの通信を利用するといったケースも増えそうです。
屋外で見た映像が5Gで転送されてきたり、通勤している会社のセキュリティカメラやセンサーが5Gで接続されていたりと、5Gは黒子のような存在にもなりえます。
ここまで普及するには、まだまだ時間はかかりますが、5Gを活用した将来像として注目しておきたいところです。

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