
【Xperia 5 レビュー】コンパクトなボディながら処理能力は高い
目次
Xperia 5のスペックと価格
本体サイズ | 高さ:約158 mm 幅 :約68 mm 厚さ:約8.2 mm |
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重量 | 約164 g |
ディスプレイサイズ | 約6.1インチ |
ディスプレイ | Full HD+ / 有機EL X1 for mobile |
内蔵メモリ(RAM/ROM) | 6GB/64GB |
バッテリー容量 | 3000mAh(内蔵電池) |
メインカメラ | 52 mm(望遠):約1220万画素/F値2.4 26 mm(標準):約1220万画素/F値1.6 16 mm(超広角):約1220万画素/F値2.4 |
インカメラ | 約800万画素/F値2.0 |
防水 | IPX5/8(※1) |
防塵 | IP6X(※2) |
生体認証 | 指紋 |
おサイフケータイ | 〇 |
ワンセグ | フルセグ |
ワイヤレス充電 | × |
価格 | docomo 7万9,920円 au 8万1,400円 Softbank 8万9,673円 (新規契約・一括払いの場合、税抜価格、2020年4月20日時点) |
※1:IPX5とは、内径6.3mmの注水ノズルを使用し、約3mの距離から1分あたり12.5リットルの水を最低3分間注水する条件であらゆる方向から噴流を当てても、通信機器としての機能を有することを意味します。
IPX8とは、常温で水道水の水深1.5mのところに携帯電話を沈め、約30分間放置後に取り出したときに通信機器としての機能を有することを意味します。
※2:IP6Xとは、保護度合いを指し、直径75μm以下の塵埃(じんあい)が入った装置に商品を8時間入れてかくはんさせ、取り出した時に、内部に塵埃(じんあい)が侵入しない機能を有することを意味します。
Xperiaシリーズを大幅にリニューアルしたソニーモバイル
2019年、Xperiaシリーズを大幅にリニューアルしたソニーモバイル。デザインやコンセプトを一新し、命名規則も改めました。
2019年以降のXperiaは、後につける1から10の番号でスペックの高低が分かるようにしています。
そのちょうど真ん中になるのが、2019年9月にドイツ・ベルリンで発表された「Xperia 5」です。この端末は日本でも発売され、ドコモ、au、ソフトバンクの3社が取り扱っています。
番号こそ「5」で、ハイエンドモデルとミドルレンジモデルの中間的存在に思えるXperia 5ですが、実はスペックが高く、どちらかと言えばXperia 1をギュッとコンパクトにしたような端末。
チップセットにはハイエンドモデル向けのSnapdragon 855が採用され、カメラもXperia 1とほぼ同じ、超広角、標準、2倍望遠のトリプルカメラです。
また、このモデルは2月に、OSがAndroid 10にアップデートされ、機能性も向上しています。今回は、発売から約半年経った今も、依然として人気の高いXperia 5をレビューしていきます。

Xperia 5 レビュー
手にピッタリ収まるコンパクトなボディながら、処理能力は高い
スマホの高性能化に伴い、本体の大型化が進んでいます。
ボディが大きい方が、熱を処理しやすく、アンテナも搭載しやすいうえに、映像を見る際に迫力があるというのが主な理由です。
一方で、当然ながら、サイズが大きければ大きいほど、手に取ったときのフィット感は落ちてしまいます。
こうしたスマホに慣れていると、Xperia 5を持ったとき、「小さい」と感じるはずです。

ディスプレイのアスペクト比が、21:9と縦に長いため、さすがに片手持ちした際に対角まで親指が届くわけではありませんが、横幅は68mmとコンパクトなため、ギュッと握るように持つことができます。
通知パネルなどは、画面下部を下にドラッグするだけで開くことができるため、親指が画面上部に届かなくてもOK。
フレームが丸みを帯びているため、手に対するあたりが少なく、持ちやすい端末と言えます。
コンパクトモデルというと、機能を抑えた端末のように思われるかもしれませんが、Xperia 5はハイエンドモデルに匹敵するパフォーマンスを持っています。
チップセットは、上記の通り、クアルコムのSnapdragon 855を搭載。
メモリ(RAM)は6GBと、ハイエンドモデルにしてはやや少なめですが、ディスプレイの解像度がフルHD+(1080×2520ドット)のためか、動作が遅いと感じることはほぼありません。
少々残念なのはストレージが64GBと少ないことですが、Xperia 5はmicroSDカードに対応しています。
写真や動画をたくさん撮る人は、microSDカードを挿し、容量を拡張してもいいでしょう。

実際、パフォーマンスの高さはベンチマークでも証明されています。
CPU、GPUのパフォーマンスを計測する「Geekbench 5」でスコアを取ったところ、CPUのスコアはシングルコアが741、マルチコアが2812。
これは、同時期に発売された、Galaxy Note10+などのハイエンドモデルと比べてもそん色ない数値です。
サクサク感の高さは、ベンチマークでも裏付けられた格好になります。

カメラの画質も高く、3つの画角を切り替えられるのが便利
背面には、すべて1220万画素で統一されたトリプルカメラが搭載されています。
超広角、標準、望遠の3つで、35mm判換算で下から16mm、26mm、52mmになります。
標準カメラを1倍としたときの倍率でいうと、超広角カメラが0.6倍程度、望遠カメラは2倍になります。
このカメラは、撮影時に画面下部(横持ちした場合は右側)に表示されるボタンを押すだけで簡単に切り替えることが可能。
画素数が統一されているため、あたかもデジタルカメラでズームしているかのように、画角を切り替えられます。


超広角、標準、望遠、それぞれのカメラで撮った写真は以下のとおり。
超広角は歪み補正をオンにしているため、16mmというレンズの割には、風景がまっすぐ写っていることが分かります。迫力がある写真が撮れている半面、標準カメラに比べると、やや解像感は低いかもしれません。
これに対して、標準カメラで撮った写真は、ディテールの描写がしっかりしていて、色のバランスなどもいい写真になっています。



望遠カメラはF値2.4と、標準カメラのF値1.6と比べるとやや暗めのレンズが採用されていますが、屋外で撮るにはこれで十分です。
ただし、屋内で撮った3つの写真を見比べてみると、標準カメラに比べ、超広角と望遠はやや暗い仕上がりになっています。
これはレンズの実力が如実に出た結果と言えるかもしれません。

なお、望遠カメラによる撮影は光学2倍相当のズームになりますが、ここにデジタルズームを掛け合わせることで、10倍までのズームができます。
デジタルズームを組み合わせた割には、クッキリとした仕上がりになるため、どうしても被写体に近寄れないときに活用するといいでしょう。
さらに、Xperia 5は、ソニーのαでおなじみの瞳AFに対応しており、人物の目にピントをピッタリ合わせることが可能。
マニュアル撮影モードも充実しているため、試してみるといいでしょう。

XperiaならではのUIやAndroid 10の新機能をチェック
Xperiaならではの機能は、ほかにも盛り込まれています。
「サイドセンス」は、その1つ。
画面の左右どちらかの端をダブルタップすると出現するランチャーで、ここには、AIが判断したユーザーが利用するであろうアプリが並べられています。
ホーム画面にアプリを配置しすぎると、本当に起動したいときになかなか見つからないこともありますが、そのようなときは、本当に必要なものだけを1画面目に厳選し、あとはサイドセンスにまとめておくといいでしょう。
ただし、画面端のダブルタップには少々クセがあり、慣れは必要になります。

Android 10にバージョンアップされたことで、「ダークテーマ」にも対応しました。
これは、ユーザーインターフェイスなどの画面を黒基調のデザインに変更する機能のこと。
「設定」の「画面設定」にある「ダークテーマ」をオンにすることで、これを利用できます。
白が基調になったデザインは、クリーンなイメージがある半面、暗い場所で見るとまぶしすぎる問題があります。
夜、部屋の中などで利用する際は、ダークテーマをオンにしておくといいかもしれません。

また、Android 10ではゼスチャーナビゲーションにも対応しています。
こちらは、「設定」の「システム」にある「操作」の「システムナビゲーション」で設定することが可能。
ゼスチャーナビゲーションに設定すると、画面下に表示されるのが、細長いバーだけになり、見た目がすっきりします。
戻るの操作は左端からのスワイプ、アプリの終了は下のバーを上方向にスワイプするというのが、ゼスチャーナビゲーションの基本。
簡単にいうと、iPhone X以降のiPhoneに近い操作体系です。ナビゲーションキーが表示されないため、画面全体を広々と利用できるのがメリットといえます。

生体認証機能は、指紋センサーに対応しています。
センサーは、右側面に搭載。
電源キーと音量キーの間にあるくぼみが、それになります。
電源キーと一体になっていないのは残念なポイントですが、手に持ったとき、比較的スムーズに親指を当てやすい場所に配置されています。
ただし、Xperia 5は顔認証には非対応。
Androidでは、指紋と顔のどちらにも対応した端末が増えているため、指紋センサーオンリーなのはマイナス点。
ユーザーがどちらかを選べるようになると、よりいいと思います。

パフォーマンスが高く、カメラの仕上がりも上々なXperia 5ですが、やはりこのサイズ感は、ほかの端末にない魅力。
ポケットにしまったときの収まりもよく、取り扱いがしやすいのはメリットです。
2020年モデルとして、2020年5月に「Xperia 1 II」が発売予定ですが、サイズ感重視で選ぶのであれば、引き続きXperia 5はオススメのモデルの1つといえそうです。